金沢家庭裁判所 事件番号不詳 決定
職業 院生
少年 広島太一(仮名) 昭和十年二月十五日生
本籍 石川県○○郡○○村○○
住居 ○○少年院内
主文
少年を昭和三十一年四月四日より一ヶ年間更に少年院に収容を継続する
理由
少年は、昭和三十年四月四日虞犯保護事件につき当裁判所に於て特別少年院送致の決定を受け現在○○少年院に収容中のものであるが、昭和三十一年四月三日をもつて犯罪者予防更生法第四十二条第三項に基き当裁判所が定めた収容期間が満了するので同年三月十二日○○少年院長○○実より、
「本少年は意志不安定であり、衝動的行動が多く、顕著な放浪性を持つ精神病質者である、昭和三十年四月七日当院入院以来紀律違反もなく、現在第一実科教室手芸科にて指導を受け、一級下の処遇段階にあるもので、その間三十年十一月二十五日二級汽罐士資格試験を受験し実科で合格、学科で不合格、三十一年一月三十一日勤勉賞を受けている。院内生活状況は概して良好であるが性格の偏倚は散見せられるところであり、未だ表裏ある態度が無くなつていない、家庭状況をみるに実父母とは死別し異母兄姉に保護されていたが、感情の流通を欠き又近隣には不良なる友人が多く、非行の原因が、ここにあることは見逃せないが、そうした不良なる環境に影響される性格の育成と独立して生計を営むに足る職業の補導とには未だ収容をして指導をなす要を感ずる。
因つて本件申請に及んだ次第である。」
という旨の収容継続申請がなされた。
そこで当裁判所は家庭裁判所調査官木屋孝正作成に係る意見書その他一件記録に就き審理の結果前記申請は理由あるものと認められ、特に少年に対し、矯正教育、並びに補導援護の措置を全うせしめるため少年院法第十一条第四項を類推適用して主文の通り決定する。
(裁判官 長尾信)